忘れてはいけないことがある。人に伝え続けたいこともある。
アイヌ人たちはそのような教訓などを後の人に伝えるために、「物語」にして古くから語り継いできました。

津波の被害もその一つ。アイヌ語で津波を「プルケpur-ke(ゴボッという音・する)」と呼び、白糠の伝承者、故四宅ヤエさんの、「津波を救ったオタストゥンクル」という物語が残されています。概略は、カムイから津波が来ると知らされたオタストゥンクルは村の人に高い所に逃げるよう伝え、逃げた人たちは助かったというお話で、「神の言葉でも、人間の言葉でもきちんと話を聞くものですよ」と締めくくられています。

今年、岩手県は悲劇を繰り返さないために3月11日を「東日本大震災を語り継ぐ日に」と定めましたね。