釧路湿原周辺を歩いているときに聞いたアオバトの声、「ワウォウ」。 何と寂しい声で鳴くのでしょう。友人の一人は鳥の声とは思わなかったようです。
アオバトをアイヌの人たちは、「ワオ」とか「ワウォウ」と呼び、その鳴き声が名前 になっています。沙流地方では次のような物語が残されています。 「昔、山に行った夫がいつまでも帰らないので、妻は泣きながら山を探し歩いて死ん でしまった。かわいそうに思った神様はその女を鳥にしたので、今もアオバトの姿を しながら、ホアホワオ ホアホワオ ワオホワオ… といって鳴くのだという」
アオバトの悲しげな鳴き声は、確かに女の人が泣いているような声にも聞こえますね。 アイヌの人は、鳥の鳴き声からも物語を紡いだのですね。