網の目のように釧路湿原の中を流れている川の一つに「ケネチャラシベツ川」があります。
この川は湿原の中の伏流水と丘からの水を集めて、湿原の中であらためて生まれた川だそうです。
松浦武四郎は、「ケ子チヤロウシベ―此処小川也。…赤楊川口に多く有ると云う儀也」と記録しています。赤楊とはハンノキのことで、ケネチャラシベツの語構成は、「kene-car-us-pet(ハンノキ・川口・群生している・川)」。かつては川口にハンノキが群生していたのですね。
アイヌの人たちが薬や赤色の染料として用いたハンノキ。アイヌ語名「ケネ」の地名は、剣淵、毛根など各地に見られます。