アイヌの人たちが染色の材料に使った植物はいくつかありますが、その一つがガンコウランの果実です。江戸時代の記録に、この実で染めた衣装を見た幕府の役人が「色合い至って見事にて、やはり江戸紫のごとし」と書き残しています。
染色方法は果実と糸を口の中に含み噛んで染める方法と、果実の皮を水につけその浸出液で染める方法だそうです。
ガンコウランの実をアイヌ語では、「イチキマイマイ(それを絞って汁を出す丸い粒)」とか、樺太(サハリン)ではクラノ「kurasno-p(黒い・もの)」と呼ばれました。
釧路湿原では、ガンコウランの実が食べごろの紫色になってきましたね。