狩猟を生業としていたアイヌの人たちが作った弓の材はイチイでした。
よく乾燥したものは雨や雪が降っても変形しなく、森の中にしばらく置いておく仕掛け弓には最も適した材だったようです。
アイヌ語でラマニと北海道全域で呼ばれていますが、一部の地方ではクネニ「ku-ne-ni(弓・になる・木)」とも呼ばれました。弓のほかに神に祈るときに使う奉酒箸や、楽器のトンコリ等にもイチイが使われました。
赤い実は好んで食べられましたが、おいしいだけでなく肺や心臓にもよいといわれたそうです。
木の実が楽しめる季節。赤いイチイの実は小鳥たちも大好物のようですね。