2014年05月

ツツドリ

トゥトゥッと鳴くツツドリ。
アイヌ語ではその鳴き声からトゥトゥッ(tutut)とかトゥイトゥク(tuytuk)と呼ばれています。
ツツドリはマスの遡上を人間に知らせるために天界から降ろされた神で、魚兆も示すそうです。
鳴き声が「チコ ペッ チェ オッ(私達の川には魚が群在する)」と聞こえれば豊漁。「チコ ペッ チェ サ(私達の川には魚がない)」と聞こえれば不漁。また、ツツドリとカッコウは夫婦神で、女神のツツドリが先に家を出る(鳴く)と豊漁。
理由は、女神の後をあわてて追いかけた男神のカッコウが、魚の入っている家の戸を閉めずに飛び出すためだそうです。

2014/5/9号掲載

ヤブマメ

「大きなヤブマメ でっかいヤブマメ 私に飛んで来い」と、ヤブマメのカムイに呼びかけるように歌いながら、アイヌの女の人は残雪の消えた枯れ草原でヤブマメ掘りをしました。

ヤブマメの地中果はアイヌ語で、アハとかエハ、釧路地方ではヌミノカン「numi(その実)nokan(小さい)」とも呼ばれ、食料が乏しい雪解け頃の貴重な食料でした。
大豆属と近縁だという地下で結実した1cmほどのその実は、栗のようにホコホコしてとてもおいしく、煮て油をつけたり、穀物の飯に混ぜて炊いて食べました。収穫時期は初春と晩秋の2回ですが、土の中でひと冬越した初春のほうがおいしいそうです。

2014/4/11号掲載