かつて、古代人にとっての道は川でした。移動手段の乗り物は丸木舟。その材はカツラ・
ヤチダモなどだそうです。カツラの舟は軽く、ヤチダモの舟は少し重いそうです。

ヤチダモは、アイヌ語ではピンニ「pinni(ヤチダモ)」と呼び、旭川ではヤチダモの木で
舟を作ると豊漁に恵まれる、というアイヌの人たちの言い伝えがあるそうです。釧路湿原の
周辺にたくさん生えているヤチダモも、大木は丸木舟として利用されたのでしょうね。

まっすぐ伸びるヤチダモの若木は、丸木舟の棹(櫂)として利用されました。釧路町にある
地名「鳥通」はアイヌ語で、「turi-tuye-us-i(舟の棹・切る・いつもする・処)」の意味だ
そうです。

2012/8/3号掲載