夏の一時期、道東の近海に姿を現すメカジキ。
長いくちばしで舟板を貫くこともあるというこの魚を、アイヌの人たちは舟の上から銛を
投げつけて獲りました。その距離は3~40mもあったそうです。

アイヌ語でシ(sirkap)と呼ばれるメカジキは、クマ同様に高位の神で、この魚を
客としてもてなすことは最も名誉なことだったそうです。食料としてはもちろん、上あごの
硬い部分は銛の材料にも使われました。

「ホタルが低く飛ぶときはシ(メカジキ)が陸近く寄るとき」と言われたそうです。

2012/7/6号掲載