冬の間氷結していた川が、せせらぎの音に変わっていくこの季節。川には
産卵のためイトウが遡上を始めます。鮮魚がない時期なので、アイヌの人
たちが待ち焦がれた魚だそうです。

イトウをアイヌ語では、チライ(ciray)と呼んでいます。釧路地方では、
遡上時期と重なって咲くフクジュソウを、イトウが来たこと知らせる花、
チライアパッポ「ciray-apappo(イトウ・花)」と呼びました。

アイヌの物語にはイトウがクマを呑み込んだ話があります。どれほど大きい
イトウなのかはわかりませんが、かつては、物語になるような魚体の大きい
イトウがいたのですね。

下あごの骨は川漁の占いに使ったそうです。

2012/3/23号掲載