2011年09月

サケ

アイヌ民族にとって重要なサケ。アイヌ語では、シペ「<si-ipe(真・食べ物)」とか、カムイチェ「kamuy-cep(神・魚)」などと呼ばれています。

 食料としては勿論、その皮で冬用の靴、衣装も作られました。大人用の衣装一着には50枚ほどのサケ皮を使用したそうです。

 また、サケは交易の品としても重要でした。1600年頃は、干サケ100本と米30kgが、1650年頃には、干サケ100本と米が12kgにまで減らされている記録が残っています。心が痛くなる話ですね。

2011/9/26号掲載

オオアマドコロ

滋養強壮の効果があるというオオアマドコロの根茎。アイヌの人たちは、
イヨマンテ(クマの霊送り)の前、痩せているクマには、この根をせっせと
食べさせたそうです(痩せたクマをイヨマンテに出すのは恥なので)。
もちろん、アイヌの人たちも食べました。

 アイヌ語では、エトロラッキ「etor-o-ratki-p(鈴・そこに・ぶら下
がっている・もの)」。エトは「鼻水」のこともそう呼びます。鈴と
鼻水、形は似ていると納得ですね。

 黒くなった実は胃腸の薬にもなり、歩きながら採って食べたそうです。

2011/6/10号掲載

ガマ

フランクフロトソーセージのような花穂をつけたガマ。湿原のあちこちで見られるように
なりましたね。

アイヌの人たちはガマを、シキナ「si-kina(真の・草)」と呼びました。キナとは、ござを
編む草のことで何種類もあるそうですが、その中で最も喜ばれた草がガマだそうです。以前、
弟子屈でガマとフトイのござの両方に座らせてもらいましたが、ガマのござは、ふかふかと
していて温かかった記憶があります。 

 敷物としてだけではなく、舟の帆や、祭事のときの祭壇を飾る幕にも用いられました。

 刈りいれは今頃だそうですが、頂く前に沼へお酒をまき、タバコを供えてお祈りをしたそうです。
2011/8/26号掲載

バアソブ

 おばあさんのそばかすの意味をもつ「バアソブ」。鐘形の紫色をしたかわいらしい
その花を「おばあさんの…」と呼ぶには忍びない気もしますね。

アイヌの人たちはバアソブの根を食料にし、「ム(バアソブの根)」と呼びました。
春に根を掘り、生のまま、または煮たり焼いたりして食べたそうです。

韓国では古くから高級食材だそうですが、松浦武四郎の『石狩日誌』にも、アイヌの家で
オオウバユリの団子とバアソブの根を煮、サケの筋子を添えてもてなされた記録があるそ
うです。そのとき、アイヌの人はバアソブを「アイヌの砂糖のようなもの」と言って笑っ
て差し出したそうです。バアソブの根は、甘いんですね!

2011/8/15号掲載

ドクゼリ

白いレースを編んだような可憐なドクゼリの花が、温根内木道脇にも咲きはじめましたね。

アイヌ語名は、トカオマ「to-ka-oma-p(沼・の上・にある・もの)」。花ではなくドクゼリの
根茎の呼称だそうです。元々、アイヌの人たちの植物の呼称は、利用する部分につけられ、
その木やその草全体を表す呼称はないのだそうです。

このドクゼリの根茎をアイヌの人たちは、腰が痛いときに焼いて患部に貼ったり、矢毒に用
いるトリカブトに混ぜたりしたそうです。

「沼の上にあるもの」、そういえばドクゼリの根、春先、谷地眼(やちまなこ)の上に、
プカプカと浮いていましたね。

2011/7/22号掲載