どの草よりも早く芽を出すギョウジャニンニク。
春の日差しを待ちわびてアイヌの人達は山に入って行ったのでしょうね。

ギョウジャニンニクのことを、道東地方のアイヌ語では「キト」と呼んでいます。
アイヌの人達にとってはとても大事な食料でしたので、ギョウジャニンニクのある場所を示す
キトウシ「kito(ギョウジャニンニク)us(群生する)i(ところ)」というアイヌ語地名があちこちに見られます。
今は漢字にされていますが、来止臥、喜斗牛、鬼頭牛という地名がそれです。
強精力をもっているこの草は、肺病、風邪、腎臓などあらゆる病気のときに煎じて飲みました。

また、強烈な臭いから病魔が近づかないと信じられ、流行病がはやると戸口や窓に吊し、魔よけにも使われたそうです。
2009/05/08号掲載