アイヌの人たちはイラクサの繊維で衣装を作りました。樹皮で作られた衣装
よりも白く仕上がるため、イラクサの衣装はレタペ「retar-pe(白い・もの)」
と呼ばれています。

イラクサの繊維でアイヌ衣装を作った阿寒在住の日川清さんは、エゾイラクサ
よりも軟らかく仕上がるムカゴイラクサを選びました。衣装一着分の糸を作る
のに7年の歳月がかかったそうです。

アイヌ語で、カパイ「kap-hay(皮部・繊維)」と呼ばれるムカゴイラクサを採取
した後、木槌でたたき、手でもみ、糸にしていく。気の遠くなるような作業と
長い年月をかけ、今年、伝統のアイヌ衣装が出来上がりました。

ムカゴイラクサの採取時期は、11月の初めだそうです。

2012/11/19号掲載