アイヌ語で、「シカが群れる草」の意味を持つフッキソウ。一般に、ユトパキナ
「yuk-topa-kina(シカ・群れる・草)」と呼ばれています。
今年、92歳を迎えた白糠のエカシは「フットマキナ」と教えてくれました。美幌、
屈斜路でもそう呼んだと記録にあります。

神経痛に効くといって、年寄りから頼まれて採ってくると、束ねたフッキソウを五右
衛門風呂に入れ、昔の年寄りたちが入っていたそうです。また、真珠のようなその
果実を「その実がうまいんだ」ともエカシは教えてくれました。

いろいろな病気に効く薬草ですが、シカはフッキソウを食べないのだそうです。

2011/11/11号掲載