タコ

スーパーにお正月用のタコが並びましたね。タコの紅白の色は縁起が良いのだそうです。
釧路や日高方面のアイヌの人たちは、タコをアトウイナウ「atuy-inaw(海・木弊)」と呼んでいます。なるほど、形がイナウ(木弊)に似ています!アイヌの物語の中で、プイ(エゾノリュウキンカの根)がタコになったという話もあります。ひげ状の根がタコの足に似ていますね。内浦湾では大タコが住んでいて、タコの体の色で空までが赤く見えるところは近寄るものでないと言われていたそうですが、山狩りに行ってタコの夢を見ると獲物が授かると言われていたそうです。
アイヌの人たちもイナウに似たタコは縁起が良かったのですね。

火の神

寒い季節、火の存在は欠かせませんね。
アイヌの人たちは火をアペフチカムイ「ape-huci-kamuy(火・老婆・神)」と呼びました。
囲炉裏の中に住み、人間を温め育む、最も身近で重要なカムイ(神)です。
いろいろな儀式において、最初に祈りの言葉を捧げるのは火の神です。他の神々への伝言役を果たしてくれ、至らぬ人間の言葉などがあっても怒らないで聞いてやってくれと「根回し」までしてくれるそうです。また、魔物からも守ってくれる存在でした。
火の神は常に人間たちのそばにいて、見守ってくれていたのですね。

地震

たびかさなる災害に胸がふさがる思いですが、災害対策を検討する上で過去の災害履歴を語るアイヌ語地名や、口碑伝説は重要な情報だそうです。
アイヌ語では地震の事をシシモイ「sir-si-moye(地・自分・を動かす)」と呼び、伝説では、「国造りの神が大アメマスの背中の上に大地を造ったため、下にいるアメマスがくたびれて動くので地震が起こる」のだとか。屈斜路湖の中島の下には巨大アメマスが起こす地震の伝説があり、美留和山はペケヌプリ(裂けた山)で、がけ崩れが起こりやすい地名だそうです。
アイヌの人たちは地名や伝説で災害が起こりやすい場所を残していたのですね。