イクラ

オレンジ色に光る新物のいくら丼、みなさんははもう食べましたか。
海の宝石ともいわれるイクラ。イクラは、アイヌ語ではチポロ「cup(下腹部)or(内)」と呼ばれ、
アイヌの人たちは、おかゆに入れたり、だんごにまぶしたりして食べました。
別海町にある「加賀家文書館」には、蝦夷地探検家の松浦武四郎が江戸から、
その頃は標津に住んでいた加賀伝蔵に宛てた手紙が残されています。
「今年の暮れも筋子を送ってください(概要)」。蝦夷通の武四郎はチポロも好物だったのですね。
2009/12/14号掲載

凍ったサケ・ルイベ

冬の寒さを利用し、サケを凍らせて保存するアイヌ民族の食べ物「ルイペ」。
一般には「ルイベ」でお馴染みですね。
アイヌ語のルイペは「ru(とける)ipe(食べ物)」の意味があります。
氷もアイヌ語ではル「ru(とける)p(もの)」。
アイヌの人たちは、凍っている状態から、とけていく過程に注目して名前をつけたのですね。
口の中で、とろりととけていくルイベのお刺身。
やはり「凍る魚」ではなく「とける魚」でしょうか。
アイヌの人たちは、皮を火にあぶって食べたりしたそうです。
2009/11/30号掲載

シシャモ

 柳葉魚という漢字を書くシシャモ。おいしい季節になりましたね。
「シシャモ」はアイヌ語が語原で、ススハ「susu(ヤナギ)ham(葉)」がなまり、多くの地方で「スサ」「シシャム」と呼ばれていたようです。
白糠では、「飢饉の時にコタンの人たちがお祈りしていると、川に落ちていったヤナギの葉が遡り、葉の下にはこの魚が群れをなして遡上してきた」という伝承が聞き取られています。白糠では、11月にはいるとカムイに感謝を捧げるシシャモ祭りが、茶路川河畔で盛大に行われています。今では高級魚となってしまったシシャモ。半世紀前頃は馬に食べさせるほど捕れたそうです!
2009/11/16号掲載