オオウバユリ

凛としたオオウバユリの花は、もう少し待たなければいけませんが、
根(鱗茎)を採取するのは今の時期、6月の末から7月の初めだそうです。
アイヌ語でオオウバユリの鱗茎をトウレ「turep<ru(とける)re(させる)p(もの)」と呼び、
ことのほか重要な食料でした。つぶして上等な澱粉をとり、残った繊維も捨てずに団子
にして乾燥させ保存しました。その作る過程は手間と時間がとてもかかるものですが、
カムイ(神)からいただいたものを無駄にしないアイヌの人たちの利用法なのでしょうね。
2010/06/30号掲載

コウホネ

明治に造られた月形町の樺戸集治監。
この「樺戸」の名前は、アイヌ語のカパト「kapato(コウホネ)」が由来だそうです。
近くの沼にたくさんのコウホネが自生していたのでしょうね。
アイヌの人達はレンコンに似たコウホネの根を、木の鉤で沼底からあげ食料としました。
冬の時期も氷を割って採ったそうです。
絶滅危急種のネムロコウホネ。
味見はできませんが、釧路湿原の沼にもコウホネの黄色い花が咲き始めましたね。
2010/06/14号掲載

オオジシギ

オオジシギが天に向かって昇って行っては降りてくる声や羽音を聞くと、白糠に伝わる物語を思い出します。
アイヌコタンの美しさに魅せられて用事を忘れ、天の国に戻れなくなったオオジシギが、
天に戻りたくて途中まで昇っては、泣きながら地上に戻ってくるというお話です。
オオジシギをアイヌ語ではチピヤ「cipiyak(鳴き声)」とか、チピヤと呼んでいます。
二風谷ではこの鳥の油を耳の薬に、くちばしは耳のかさぶたをとるときに利用したそうです。
2010/05/18号掲載