伝染病

江戸時代に、北海道の各地で疱瘡などの伝染病による壊滅的な被害があったことが記録されています。
かつて、アイヌの人たちは伝染病も悪い神の仕業と考えました。
アイヌ語で「パイカイカムイpaykay-kamuy(歩き回る・神)」とか「パコカムイpa-kor-kamuy(伝染病の気・を持つ・神)」などと呼ばれ、疫病のカムイとして恐れられました。医療が進歩していなかった時代は病気を治すより病気にかからないことが肝心。
そのための儀式や山に逃げるなど、いくつかの方法があったようです。
今、私たちの生活を脅かしているコロナ。
この「歩き回る神」と遭遇しないために、人との接触を避けたアイヌの人たちの行動にも学ぶべきものがありますね。

ツリガネタケ

シラカバの立ち枯れした木などについているツリガネタケ(別名ホクチタケ)。
アイヌの人たちは、樺の木に多く出るこのキノコを「タッニカルtat-ni-karus(カンバ・木・キノコ)」とか、「アペオカルape-o-p-karus([火・に入る・もの=火鉢]・キノコ)」などと呼んでいます。
かつてのアイヌの人たちは、火おこしの着火材として利用。狩猟などに出かけるときも、火口(ほくち)入れという小さなポシェットに入れて持ち歩きました。
イタリアとオーストリア国境の氷河で見つかった約5,000年前のアイスマンも、なんと着火剤としてこのツリガネタケを持っていたそうです!
イタリアと北海道、離れていても植物の利用方が同じというのが興味深いですね。

シウリザクラ

サクラの仲間では最後に咲くシウリザクラ。
試験管ブラシ状に咲く清楚な白い花がもうすぐ咲きますね。
シウリザクラの「シウリ」は、アイヌ語のシウニ「siw-ni(苦い・木)」が由来だと言われています。果実は熟すと黒色になり、口に入れると甘味と少々の苦さがありました。アイヌの人たちはこの木で槍や仕掛け弓などを作りました。また、病気になったときは、この木でお守りの御幣(イナウ)を作った地方もあったそうです。
花の咲いている期間は一週間ほど。
競って咲き出す花たちを追いながら過ごすのもステキですね。