タチギボウシ

釧路湿原の夏を代表する花、タチギボウシ。今年も楽しませてくれましたね。
アイヌの人たちは「ウクリキナ」「ウクキナ」と呼び、葉を刻み食料にしています。刻んだ葉は乾燥させ保存食にもしました。樺太のアイヌの人たちは刻んだ葉を陰干しにし、煮て冷ましてからシラカバやイタヤカエデの発酵させた樹液を入れ、時々混ぜて濁り酒を作ったそうです。
お酒はカムイ(神)に捧げる貴重なもの。交易で手に入れることが難しかった時代は、そのようにして作っていたのでしょうか。
タチギボウシと樹液で作ったお酒はどんな味がしたのでしょうね。

ガンコウラン

アイヌの人たちが染色の材料に使った植物はいくつかありますが、その一つがガンコウランの果実です。江戸時代の記録に、この実で染めた衣装を見た幕府の役人が「色合い至って見事にて、やはり江戸紫のごとし」と書き残しています。
染色方法は果実と糸を口の中に含み噛んで染める方法と、果実の皮を水につけその浸出液で染める方法だそうです。
ガンコウランの実をアイヌ語では、「イチキマイマイ(それを絞って汁を出す丸い粒)」とか、樺太(サハリン)ではクラノ「kurasno-p(黒い・もの)」と呼ばれました。
釧路湿原では、ガンコウランの実が食べごろの紫色になってきましたね。

エゾノコリンゴ

次々と咲くバラ科の花。白い清楚さが素敵なエゾノコリンゴの花も咲きましたね。
アイヌの人たちはこの花が満開に咲くのかを気にしたようです。
というのは、漁の予兆を占う花で、満開に咲く年はサケがたくさん獲れるといわれていたようです。
美幌では境界の争いがあったときに、この木で決闘用の棍棒を作り、背中の打ち合いに使ったそうです。
アイヌ語ではエゾノコリンゴの果実をセタといい、木をセタンニ「<setar-ni(エゾノコリンゴの果実・木)」と呼びました。厚岸町には「エゾノコリンゴが群生している所」の意味を持つ「セタニウシ」という地名があります。そこでは今年もエゾノコリンゴの花がいっぱい咲いているのでしょうか。